本ページは、2025年6月25日(水)開催の AWS Summit 2025 Day1 - Builders Fair ブースにて展示予定の
B-031A AWSで実現するメタバース開発基盤 のご紹介ページです。 (公式サイトURL)

ブースは AWS Builders' Fair 内の赤枠の位置です。

目次
1. 展示内容のご案内
当日は、AWSの最新サービスを活用したメタバース関連ソリューションを、実際のデモを通じてご体験いただけます。 各展示の裏側にあるAWSアーキテクチャや技術的ポイントもご紹介します。
1-1.CMS 連携アバターシステム
概要
3Dアセット管理CMS「VAMS」を活用したアバターシステムです。
ゲーム外部のアセットを動的に読み込み、リアル調とアニメ調の 2つのスタイルをリアルタイムで切り替えることができます。

VAMS (Visual Asset Management System)
3D アバターは AWS がオープンソースでリリースしている 3D アセット管理ソリューション VAMS で一元管理しています。 (URL)
アセットの登録・変換・配信を行うことができるほか、端末にアセットをダウンロードすることなく、下図のような管理画面のビューアーから閲覧することが可能です。

アーキテクチャ
デモアプリケーションでは、あらかじめ登録されたアバターアセットをVAMS APIを通じて取得しています。
アセット管理者が VAMS 上でアセットを更新した際には、動的にデモ空間へ反映されます。

主なユースケース
- 企業・組織内での 3D アセット一元管理
- ゲームリリース後の追加版・更新版のアセット配信
1-2.イマーシブショッピング
「Amazon Anywhere」という仕組みを活用し、API 経由で メタバース空間内から実際の Amazon 商品を購入できるシステムを使ったデモです。※デモ環境のため、実際の決済は行われません。

Amazon Anywhere
Amazon Anywhere は、ビデオゲームや拡張現実(AR)、モバイルアプリなどの仮想空間やインタラクティブな環境内で、ユーザーが体験を中断することなく Amazon の商品を検索し購入できるようにする仕組みです。 (URL)
価格や配送情報を含む商品情報を API を通して参照でき、エンドユーザーはセキュアなエンドポイントと Amazon ログイン認証の統合により、Amazon ユーザーは安全に自身のアカウントを使用して購入することができます。
購入後の配送やカスタマーサービスは通常の Amazon 商品を購入する際と同様に Amazon を利用できます。

アーキテクチャ
デモアプリケーションでは、ゲーム内から Amazon Anywhere API を通して商品情報を取得し、注文確認および注文する仕組みとなっています。
Amazon への認証プロセスを含んでいて、今回は後述のクラウドゲーミング技術を使って AWS のサーバー上でゲームを実行しているため、ユーザーのブラウザ上での認証結果を外部のデータストアを経由してゲームに送っています。
Amazon 認証前は一般的な商品情報しか取得できませんが、Amazon 認証を行うことで、ユーザーの Prime 会員有無に応じた配送日の情報や、ユーザーの Amazon に登録している決済情報などが表示され、その後注文を行う形となっています。

主なユースケース
- 自社 WEB サイト内で完結するシームレスな商品販売提供およびユーザーの購入導線分析
- ゲームやメタバースと連携したより没入感の高い購入体験の提供
1-3. AI アシスタント
Amazon Bedrock と Amazon Polly を活用した 2種類の GenAI チャットです。
システムプロンプトにより異なる目標や役割を設定し、 それぞれ独自の個性と話し方を実現しています。

Amazon Bedrock
Amazon Bedrock は、AI21 Labs、Anthropic、Cohere、DeepSeek、Meta、Mistral AI、Stability AI、Amazon などの主要 AI 企業が提供する高性能な基盤モデルを、単一の API を通じて利用できる完全マネージド型サービスです。 (URL)
このサービスの最大の特徴は、セキュリティ、プライバシー、責任ある AI の原則に基づいて、生成 AI アプリケーションを構築するために必要な幅広い機能を提供することです。ユーザーは様々な基盤モデルを簡単に試用・評価でき、ファインチューニングや RAG(検索拡張生成)などの手法を用いて、自社データで安全にモデルをカスタマイズできます。
さらに、企業のシステムやデータソースを活用してタスクを実行するエージェントの構築も可能で、サーバーレス環境のためインフラ管理が不要です。既存の AWS サービスとの統合により、生成 AI 機能を安全にアプリケーションへ導入・展開できる点も大きな利点となっています。
アーキテクチャ
デモアプリケーションでは、入力されたチャットメッセージを Bedrock API を介して生成 AI に送信し、応答を返しています。その際に、ユーザーメッセージと共にシステムプロンプトというものを送信しており、そこでチャットを返す際の話し方や役割などを指示しています。(例えば、あなたは AWS Summit の説明員で、カジュアルな話し方で応答してください、など)
本アプリケーションでは利用していませんが、Amazon Bedrock Knowledge Bases という仕組みを利用することで、事前にファイルサーバー (S3) に配置された任意のデータソースを利用して応答をさらに深化させることが可能です。
なお、Bedrock から応答されたメッセージは Amazon Polly というサービスを利用してテキストから音声を生成し、それを Lip Sync という技術を使ってキャラクターの表情を操作しながら発話させています。

主なユースケース
- 任意のデータソースを参照させたコンシェルジュサービス
- ゲーム内で特定の役割を持った NPC (Non-player Character) システム
1-4. 空間データ分析
レーシングゲーム中のプレイヤー・CPUの走行データを 1秒ごとに データウェアハウスに送信し、走行軌跡や速度の推移の分析と生成AIによるゲームプレイへのアドバイスを行います。
プレイ後、新しいタブで分析結果画面を表示します。



アーキテクチャ
走行データとして、プレイヤー車両 1台と CPU プレイヤー車両 3台の、それぞれの位置と向きの情報を 1秒ごとに送信しています。
データ送信は、Amazon Data Firehose を利用してストリーミング送信を行い、Redshift Serverless にデータが格納されます。
プレイ後に格納されたデータにアクセスして分析が行われ、そこから得られた分析結果のデータと可視化画像を Bedrock に送信しフィードバックデータを生成しています。
分析結果ページにアクセスすることで、可視化されたレース結果の分析と生成AIによるゲームプレイへのアドバイスを閲覧することができます。

主なユースケース
- メタバース空間上でのユーザーの行動データ分析による現実空間の動線設計
- AI によるゲームプレイのコーチング
2. クラウドゲーミング技術のご紹介
デモアプリケーションは Amazon GameLift Streams を活用してブラウザベースでのゲームアクセスを提供しています。
ゲーミング PC などのハイスペックな端末がなくても、描画負荷の高いゲームにアクセスすることが可能になっています。

3. プラットフォーム化への取り組み
現在、AWS では今回デモで体験いただいたような AWS サービスと連携したメタバース機能を、より簡単に開発・リリース・分析できるプラットフォーム化を推進中です。
AWS サービスと協調して動作する機能を Unreal Engine などのゲーム開発で利用されるツールのプラグインとして提供し、プラグインを入れるだけで簡単に利用できるようにすることを目指しています。


4. お問い合わせ
何かご不明な点などございましたら、ブース担当者までお気軽にお声がけください。
5. アンケート
デモへのご参加後、アンケートへのご協力をお願いいたします。(所要時間 3 分程度)
